大分豊府中学受験の実態|合格の難しさと入学後の学力格差を徹底解説!

中学受験

 大分豊府中学は大分県内唯一の公立中高一貫校で、倍率も高く、人気の学校です。中学受験をしている人の中でも豊府中を目指す生徒は多く、塾に行き合格を目指して頑張っている子もたくさんいます。
 これまで多くの豊府中受験の子達を指導してきましたが、その中でご家庭にぜひ知っておいて欲しいことがいくつかあります。また、豊府中受験のその後も見てきているからこそ見えていることもあります。
 本記事では、豊府中受験を考えているご家庭に事前に知っておいて欲しいことを提案していきます。また、それは豊府中だけでなく、全国の公立中高一貫校全体にも言えることなので、ぜひ大分県外の方にも読んで欲しいです。

1、豊府中受験の基本情報

 大分豊府中学は公立中高一貫校であり、中学で入学するとそのまま大分豊府高校へと進学できます。進度は私立の中高一貫校と同じで、概ね中2までに中学内容を終わらせ、中3からは高校内容に入ります。
 定員は120人。倍率2倍を超える人気校です。高校から文理融合のSクラスが設置され、東大京大国立医学部といった最難関大の受験に対応したクラスが設置されています。
 最も特徴的なのは、入試形式。入試とは呼ばずに適性検査と呼びます。適性検査では、適性Ⅰ(国語・社会)、適性Ⅱ(理科・算数)、面接が課せられます。2025年度以降は適性Ⅰの聞き取り問題が英語のリスニング問題に変更になります。適性検査の問題は、私立型の問題の難しさを文章量と記述量を増やすことに振って、常識力のようなものを加えた形になっています。

2、豊府中受験は努力が報われにくい

 豊府中受験は努力が報われにくい、というのは少し衝撃を受ける言葉かもしれませんが、公立中高一貫校全体に言えることだと思います。そして、この記事で一番言いたかったことが実はこのことです。
 では、なぜ豊府中受験は努力が報われにくいのでしょうか?
その理由は大きく3つあると考えられます。

(1)体系化された問題が少なく、基本的な問題が極端に少ない
 基本的な問題が少ないという比較対象は、私立型の中学受験です。私立型の中学受験の場合、塾のテキストの基本問題をマスターすれば、少なくとも大分市内の3校(向陽中、岩田中、大分中)はほぼ間違いなく合格できます。全国的に見ても、難関と言われる中学校以外は塾のテキストの範疇を超えた出題はあまりありません。
 一方で、豊府中の問題を見てもらえばわかるのですが、入試で問われることは知っていることではなく、その場で提示された文章や資料からわかることを中心に尋ねられます。また、記述問題や常識力を問う設問も多いため、勉強して知っていることや出来ることがダイレクトに問われにくい性質があります。ですので、基本的な問題ができるようになったベースの上で、その場の対応力が求められます。
 このように、基本的な問題が少ないこと、体系化された内容が出にくいことは、努力が報われにくいと感じる一因だと考えられます。

(2)採点の内実がわからない
 これも私立型の入試との比較になりますが、豊府中のような公立中高一貫校の採点も努力が報われにくい原因のひとつだと思います。
 私立型の入試の場合、国語の記述問題を除けば多くが記号や数値や用語を答えるものであり、記述問題も書き方の型が決まったものがほとんどです。その意味で、本番の採点のブレはほとんど起こらないと考えられます。
 しかし、私立中型の入試に比べて記述式の問題の比率が圧倒的に高い公立中高一貫校の入試では、どういう基準で採点するかによって点数が変わってきます。ですので、模試においてどう採点するかと本番でどう採点しているかは必ずしも一致しません。これは模試が悪いという意味ではなく、公立中高一貫校型の記述式問題の採点においてはどうしても付きまとう問題でもあります。

(3)合格点が読みにくい
 私立中学の入試に比べて、豊府中のような公立中高一貫校の合格点は年によって乱高下します。これは前述した試験内容の差に起因すると考えられ、定番問題を作らないようにしているので、毎年のように新しい切り口で出題するが故の宿命とも言えます。ですので、どこまで出来れば合格かが勉強しながら見えにくく、その日の問題次第で合否が左右されてしまいます。模試では取れていたのに本番ではできなかったパターンは私立中より明らかに多く、努力が報われにくいところを象徴していると思います。

3、豊府中受験は運の要素が強い

 ここまでの内容を踏まえると、豊府中受験のような中高一貫校は運の要素が強いこともわかると思います。自分と相性のいい問題が出題されるかという運、記述式問題が自分に有利な基準で採点されるかという運。
 また、面接試験があるため、面接官との相性にもペーパーテストとは違う運要素が入ってくると考えられます。このように、豊府中の受験では努力でカバーできない運要素が多い点でも不安定であり、そういうリスクを承知で受ける必要があると考えられます。

4、入学後の学力格差が激しい

 これは豊府中受験であまり語られませんが、入学後の格差が激しいことも知っておいて欲しい要素です。もちろん私立中でも格差はありますが、程度としては豊府中が顕著であると感じます。その理由は大きく2つあります。
 第一に、受験内容と中学以降の学習が直接的に結びつきにくいからです。私立型の入試では体系的な内容が問われため、中学以降の勉強と密接につながっているといえますが、公立中高一貫校型の適性検査の試験内容は必ずしも中学以降の勉強内容と結びついているとは言えないと思います。少なくとも、私立中型の入試に比べると入試で問われている学力と入学後での勉強が乖離していると言えます。
 第二に、勉強習慣や勉強蓄積がない状態で入学する子が一定数いるからです。大多数ではないですが、言語能力に秀でた子であれば、ほとんど対策せずに豊府中に合格することは可能です。今までもそういった子を何人も見てきました。しかし一方で、塾通いでしっかり学習習慣や勉強蓄積がある子たちが多数派であり、その子達を基準に勉強が進んでいくので、それについて行けない子は一定数います。
 入学後のことまで考えて中学受験に挑むべきだと思います。

5、最後に

 以上が豊府中受験を考えているご家庭に考えて欲しいことでした。全体的に受験のリスクについて書いてしまったのでネガティブに映ってしまったかもしれませんが、豊府中生たちは学校が楽しいと言う子ばかりです。しかし、受験に関してはリスクをしっかり把握するのがご家庭の役目だと思います。
 これまでの指導経験の中で、豊府中受験の経験が勉強嫌いになったり自己肯定感が下がってしまったりの原因になっている子が何人もいました。それは受験自体が悪いのではなく、受験の性格やリスクを正確に把握せずに軽い気持ちで始めた場合がほとんどです。豊府中受験を考えている場合は、ぜひ一度しっかりとお子さんの適性を考えてから受験を始めることを推奨します。
 当塾でも豊府中受験のコースを用意しております。豊府中受験を考えの方はぜひ一度ご相談ください。

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