英語を苦手にしている中学生は昔から多いですが、特に改訂された今の指導要領下では単語数や文法事項が増えて拍車が掛かっているかもしれません。
英語が苦手な中学生がどうすれば克服できるのか。
本稿ではこのテーマについて、現在の中学英語を取り巻く現状と解決策を提示します。
1、英語が苦手な中学生が増えている理由
英語が苦手な中学生は年々増えているのは、塾で教えている身からするとすごく実感します。
もっと言えば、苦手な子が増え、さらに二極化しているというのが正しいかもしれません。
二極化する原因は、英語が苦手でも得意でもない中間層が減り、苦手な層と得意な層が増えている印象です。
ではなぜ二極化しているのでしょうか?私は大きく3つ原因があると考えます。
第一に、指導要領の改訂によって小学校から英語教育が入ったことによって内容が難化したからです。
基礎的な英単語は小学校で勉強した前提で中学の英語学習が始まるため、中学入学段階で700単語くらいを習得済みとして授業が進められるようになりました。
また、文法事項も中1のLesson1からbe動詞と一般動詞が混じった英文が出てきますし、中3で現在完了進行形や仮定法が新たに入ってきました。
内容が増えたことにより進度も以前より3ヶ月分くらい速くなっています。
このように、中学英語が内容的にも進度的にも難しくなっており、英語が苦手な中学生を生み出す最大の原因になっています。
第二に、コミュニケーションを中心とした指導スタイルに移行したことが挙げられます。
現在の教育現場は、リスニング・スピーキング・ライティングが以前より重視され、逆に文法がしっかり教えられていないという現実があります。
個人的な感覚で言えば、他言語かつ言語体系が日本語とはかなり違う英語の学習において文法は避けて通れないと思うのですが、現実は逆行しています。
そのため、塾で教えている生徒たちは文法が抜けているために英語が「崩壊」しているケースも多く見受けられます。
第三に、中学入学時点での英語力の差が昔より大きい点が指摘できます。
いまや英会話はメジャーな習い事のひとつで、中学生の多くの子が英会話経験者です。
親世代のスイミングに通っていた感覚くらいで多くの子が英会話に通っていて、それに伴って親世代の水泳の授業くらい生徒間で英語力に差があります。
そこに内容の難化や授業スタイルの変更が入ってくることで格差が大きくなっています。
結果として、英語が苦手な中学生が増加している現状に帰結しているのです。
2、英語が苦手な中学生が克服する方法①入学前の準備が大事
英語が苦手な中学生にならないためには、中学生になる前にしっかり準備をすることが必要だと思います。
具体的にやるべきことは大きく2つで、英単語の綴りを書けるように訓練しておくこと、英検5級を取っておくことをオススメしています。
それぞれ解説します!
まず、英単語の綴りに関してですが、これは日本語を英語に変換する訓練が必要です。
先ほども書いていますが、中学入学段階で約700単語の英単語を習得した前提で授業が進んでいきます。
英単語が書けないことは以前も中1ギャップの典型的なつまずきでしたが、既習の英単語が膨大である現在の状況では更に大きな問題になっています。
当塾の指導では、これを避けるために非受験生も中学受験を終えた小6の生徒にも共通して、中学入学まで英単語の書き取りテストをしつこく行います。
習得単語数の700には過度にこだわらなくてよいので、とにかく英単語の綴りを書けるように働きかけることが大切です。
次に、英検5級について。
英検5級は英語に慣れ親しむにはちょうど良いくらいの難易度ですし、ちゃんと勉強をすれば確実に手が届くものです。
私の指導歴でも、どの学力帯の子でもしっかり指導すれば間違いなく合格できます。
詳しい勉強法は本稿では避けますが、英単語・リスニングアプリと過去問を利用すれば誰でも習得可能です。
英語に慣れ親しむのはもちろん、英検を取れることで英語に対して自信を持てることも大きいです。
3、英語が苦手な中学生が克服する方法②文法をしっかりと
最近の英語教育では流行りませんが、苦手を克服したいならやはり文法をしっかりやらないとダメです。
特に苦手な中学生こそ文法です。
文法はちゃんとルールがあるので、それを理解して運用する能力を身につければ確実に英語力を伸ばすことができます。
英語が苦手な中学生が文法に取り組みたいなら、まずは並び替え問題に取り組むと良いと思います。
英語の難しさの1つは日本語とは違いの大きい語順です。
ここを克服すると英語が苦手な状況から一歩抜け出すことができます。
できれば当塾に通って経験豊富なプロの指導者から英語の文法ルールをしっかり学びながらやるのがベストです。
4、長期視点が必要
ここまで具体的な対策について書いてきましたが、考え方も大切です。
それはすなわち長期的な目線で苦手の克服を考えることです。
英語は積み上げ教科です。
英単語も文法も膨大なものを積み上げていく必要があるため、なかなか短期的には成果が出にくい部分があります。例えば中1で英語につまずいて苦手だった子が立ち直るのは中2以降だったりすることはよくあります。
焦らず、粘り強くやることが大事ですし、だからこそ苦手になる前に対策を打つことが大切です。
当塾は1対1の指導による苦手な英語の克服を得意としております。
中1の時に英語が苦手だった子が国際系の高校に進んだ事例などもあります。
英語指導には自信がありますので、困っているならぜひ一度教育相談・体験授業を受けてみませんか?