大分の中学受験の倍率はどこまで重要か?合格に本当に必要な視点とは

中学受験

 入試情報の中で必ず示されるのが、倍率です。定員に対してどのくらいの受験者が受けに来たかという情報で、出願などで参考にする人も多いと思います。

 この記事では、大分の中学受験の倍率について考察します。特に、志望校の倍率が高くて不安だという方、大分の中学受験において倍率がどこまで重要なのか分からない方などは、必見です。

1、大分県下の各中学校の入試倍率

まず、2025年入試の大分県下の各中学校の入試倍率を見ていきたいと思います。

大分県立豊府中学校

  • 定員:120人
  • 応募者数・受験者数:234人
  • 合格者数:120人
  • 倍率:1.95倍

向陽中学校

  • 定員:40人
  • 応募者数・受験者数:121人
  • 合格者数:82人
  • 倍率:1.39倍

岩田中学校

  • 定員:135人
  • 応募者数・受験者数:250人
  • 合格者数:180人
  • 倍率:1.44倍

大分中学校

  • 定員:50人
  • 応募者数・受験者数:―
  • 合格者数:66人
  • 倍率:1.30倍

明豊中学校

  • 定員:60人
  • 応募者数・受験者数:89人
  • 合格者数:85人
  • 倍率:1.05倍

 大分大学附属中学校は倍率等を公表していないため分からないですが、おそらく大分豊府中と同じくらいで2~3倍くらいの倍率だと考えられます。

 また、これらの情報は少し気を付けないといけない部分があります。それは、追加合格がどれくらい出されているか、です。大分はどの学校でも入学辞退者が出ます。特に私立中はどうしても県外や国公立中に進む子の入学辞退者が一定数は出ます。

 ちなみに、豊府中や附属中でも辞退者はいます。教え子の中にもいます。ですので、合格者数はどの時点を出された情報かが分からないため、この情報だけでは判断がつかない部分があります。

 詳細は当塾の「中学受験セミナー」でもお話致しますので、ぜひご参加下さい。

2、倍率=難易度ではない

 入試の倍率は、倍率が高いと難しく感じます。しかし、実際には倍率=難易度にはなりません。単純に能力が高い子が多く受けている学校が難しい、これが事実です。どんなに倍率が高い学校であっても、九州だと現状ではラサール中や久留米大附設中より入試難易度が高いということはありえません。

 また、大分県内では聞いたことはないですが、倍率を高く出るように設定し、偏差値を上げようとした事例も聞いたことがあります。これは、大手塾さんの偏差値表の上位に位置づくことで、受験者数を増やしたいという思惑があるからです。保護者さんは、倍率に対するリテラシーも持っておく必要があります。

3、倍率より大切な要素

 では、大分の中学入試において参考にすべきもので、倍率よりも大切ものは何でしょうか。私は大きく3つあると思います。

(1)合格最低点

 大分の中学入試においては、倍率よりも合格最低点の方がずっと合否を考える際には大切です。過去問にも概ね合格最低点が書かれており、ここを超えることが合格できるかの大きな判断材料になります。

 特に大分の場合は、そもそもの倍率が都会の学校に比べて低い上に、中学受験人口が少なく人数の増減もあまりないため、倍率自体に大きな変化がありません。その意味で、合格最低点はかなり参考になると思います。

 かつて大分豊府中が開学した際には8倍くらいの高倍率だったこともありますが、ここ数年は2~3倍に落ち着いています。大分大学附属中学校と入試日を被らせてからは倍率が安定している印象です。

(2)偏差値

 偏差値は受験全体を通して学力やライバルとの立ち位置を知るための有効なデータです。倍率よりも大手塾さんの公開模試の偏差値の方が参考になる場合が多いです。

 たとえ倍率高くても、偏差値と合格ラインに差があれば、ほとんどの場合は合格できます。

 当たり前の話ですが、倍率を気にするより、偏差値が取れるだけの実力をつけることがまずもっと大切です。

(3)入試問題との相性

 倍率よりも大切な要素として最後に取り上げるのが、入試問題との相性です。これは見落とされたり、軽く見られたりしがちですが、実はかなり大切な要素です。

 これまでの教え子でも、私立型の入試の模試などではそこまでだった生徒でも、附属中や豊府中では入試問題との相性がよく、高倍率を勝ち抜いたという例があります。

 あまり言われませんが、過去問との相性に着目するのは本当に大切です。

4、倍率との正しい付き合い方

 以上のように、大分の中学受験においては、入試倍率はそこまで大切な要素でないと言えると思います。それよりも大切なのは、各学校への合格するに見合った学力を身に付けることです。それは偏差値である程度はわかるものですが、実際の入試問題の過去問を解き、合格最低点を超えるかが最も確実な方法です。

 高倍率であっても、受かる子は受かります。倍率にビビらずに、合格ラインに乗る実力をつけることに意識に持っていきましょう。

 また、当塾はもう少し倍率や合格者などの話を対面でならお話できます。今後の「中学受験セミナー」等でお話できますので、ぜひお声がけ下さい。

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