地方の中高一貫校に進学する際に共通して気をつけないといけないこと

中学受験

中学受験は高校受験や大学受験に比べるとマイナーではあるものの、近年はSNSなどで広く情報を拾うことが出来るようになってきています。しかし、SNSなどの情報の多くが規模の大きい首都圏や関西圏の情報で、大分を含め地方の状況とはかなり違っているのが実情です。

その状況の違いの中でも、進学の際に地方ならではの気をつけてほしいことがいくつかあります。この記事では、なかなか語られない地方の中高一貫校に進学する際に気をつけたいポイントを解説します。


1、学校規模が小さく、コミュニティが狭い

気をつけて欲しいポイントの1つ目が、どの学校も学校規模が小さく、コミュニティが狭くなりがちな点です。

大分を例に挙げると、入試要項をベースにすると、大分豊府中と岩田中が1学年120人、向陽中が40人、大分中が50人となっています。実際のところは、向陽中は40名よりもう少し多く、大分中は1クラス20人規模となっているのが実情です。

大分市内の公立中学校が1学年200人を超える規模が多いことから考えれば、どの学校も中小規模の学校と言えます。

規模が小さな学校はコミュニティが小さくなりがちです。みんなが知り合いで和気あいあいでアットホームな雰囲気なのは良いのですが、反面、トラブルが起きたりするとコミュニティが狭いからこその悪影響が大きくなってしまいます。

小規模だとクラス数も少ないですし、中には1クラスしかない学校もあるため、トラブルがあった生徒同士のクラスを離すことも難しくなります。実際に大分の場合ですと、大分中は1クラス、向陽中が2クラス、岩田中と大分豊府中は3クラス構成となっており、トラブルがあった際にはコミュニティが狭いからこその大変さがあるという話も聞きます。

また、中高一貫校は6年間同じメンバーで過ごすため、長いスパンで狭いコミュニティに身を置くことになります。一度人間関係でつまずくと、その影響が長引きやすい点は注意が必要です。

とは言え、総合的に考えると中高一貫校は人間関係も良好な場合が多く、過度に不安になる必要はないと思います。ただし、大規模校が存在しないという点は、地方ならではの特徴として理解しておくべきでしょう。


2、学校内での学力差が大きい

地方の場合は中学受験の市場規模が小さいため、偏差値による学校の細かな階層化が起きにくいのが実情です。

例えば大分においては、ざっくりと各塾の最上位クラスの子達が向陽中や附属中に進学し、それ以外の子が岩田中や大分中などに進学するイメージで、首都圏のような細かな序列は存在しません。

また、大分市の私立3校はいずれも特待生制度を設けているため、特待生と一般生の学力差が生じやすい構造になっています。さらに、県外の難関校であるラ・サール中や久留米大附設中に合格しても大分に残る生徒もいるため、各学校の最上位層は全国的に見ても非常に高い学力を持っています。

一方で、市場規模が小さいが故に合格者数を確保する必要があり、結果として学力帯が非常に幅広い生徒構成になっている印象があります。

このように、地方の中高一貫校は学校内での学力差が大きくなりがちです。偏差値的には高くない学校であっても、上位層からは東大・京大・国立医学部への合格者が出ることもあり、内部競争という点では良い側面もあります。

しかし、小規模校であるがゆえに学力別クラス編成が難しいのも現実です。中高一貫校は進学校であるため、中学内容を2年生までに終わらせる学校が多く、授業進度は基本的に学力上位層に合わせられます。そのペースについていけるかどうかは、進学前に慎重に考える必要があります。

また、学力差が顕著に表れやすい教科は数学ですが、地方では英語にも注意が必要です。全国トップレベルの一部進学校では「英語は中学からで問題ない」という方針を取る学校もありますが、多くの地方中高一貫校では当てはまりません。

中高一貫校にはインターナショナルスクール出身の生徒や、英検取得に力を入れてきた生徒も一定数在籍しており、中学入学時点で英検3級〜2級を取得している生徒も珍しくありません。これは公立中学校に進学する場合にも言えることですが、英語学習は早い段階から戦略的に進める必要があります。


3、学力以前に勉強習慣の差が大きい

地方の中高一貫校では学校内の学力差が大きくなりがちですが、それをさらに拡大・固定化するのが、勉強習慣の差です。

これは中学受験への取り組み方の違いによるもので、中学進学後にも大きな影響を及ぼします。特に問題になるのが、中学からの逆転が難しくなる点です。

公立中学校の場合、ごく一部の上位層を除けば、日常的にそれほど勉強していない生徒が大半です。そのため、覚悟を決めて勉強を始めれば、勉強時間で優位に立ちやすく、成績や順位が大きく伸びるケースも少なくありません。

一方で、中高一貫校では上位層になるほど「勉強しているのが当たり前」という環境になります。そのため、努力は成果として表れますが、公立中学校に比べると逆転の難易度は高いと言えるでしょう。


このように、地方の中高一貫校には特有の注意点があります。しかし一方で、地方の教育環境において中高一貫校が大きな選択肢となっているのも事実です。

メリット・デメリットの両方を正しく理解した上で、家庭やお子さんにとって最適な進路を考え、中学受験に臨んでいくことが大切だと思います。

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