中学受験をするご家庭でじわりと広がりつつあるのが、塾のダブルスクールです。
中でも多いのは、大手の集団指導塾さんに通いながら個別指導塾や家庭教師を併用するパターンです。
中学受験をあまり知らない人だと、小学生のうちから塾に行かせて、しかも2つも行かせるなんて、と思っている場合も多いと思います。
そこまでの感想ではなくても、やはり何かやりすぎな感じがするかもしれません。
この記事では、そのようなステレオタイプ的な批判がある中学受験での塾のダブルスクールについて、傍から見た印象論ではなく、実際に教えている側から建設的な意見を示します。
1、中学受験と高校受験・大学受験は構造が違う
中学受験と高校受験・大学受験には大きな差があります。
その大きな差のうちの1つが、学校の存在です。
高校受験は中学校の、大学受験は高校の勉強がベースになり、その補習や発展的な学習、受験対策を求めて塾に通います。
一方で、中学受験の場合は学校の勉強がベースにはなりません。
正確に言えば、ベースにはなっているのですが、学校の勉強だけでは一般的な中学受験の問題には歯が立ちません。
特に算数は。
そのため、中学受験をする際には基本的に塾が必須ですし、塾や家庭教師なしの場合でも通信教育や中学受験専門の問題集などでの勉強が必要で、学校の勉強の範疇を超えた勉強は必ずしなければなりません。
そういった状況から考えたとき、中学受験生の大多数が通っている集団塾の存在は、高校受験や大学受験の学校と同じ役割になります。
すなわち、一般的なカリキュラムで学ぶ場の学校という存在が集団塾になります。
そして、塾が学校の役割をすることになるため、高校受験や大学受験での塾に求められる補習機能などが求めにくくなります。
このように、中学受験では集団塾が学校と同じように一斉学習の場になっている場合が多いため、補習機能を持った塾が別に必要になってきます。
この構造上の違いを理解すると、中学受験の塾のダブルスクールと高校・大学受験の塾のダブルスクールを同一視して批判するのはナンセンスだとわかると思います。
2、小学生の発達段階の差が大きい
中学受験と高校受験・大学受験のもう1つの大きな違いは、受験生の発達段階です。
大学受験をする高3はもちろん、高校受験を受ける中3でさえ、かなり大人に近づいた存在であり、ある程度は勉強面で自立しているし、自立していて欲しい年齢です。
一方で中学受験をする小学校4~6年生は圧倒的に子どもですし、何よりそれぞれの子どもで発達段階や精神年齢に大きな差があります。
実際に中学受験生を指導していると、全体傾向として、特に男子と女子の精神年齢の差を如実に感じます。
小学校低学年の子と変わらない感覚の小6男子もいれば、高校生と話しているのとほとんど変わらない小6女子もいます。
そのくらい性差で違いますし、1人ひとりでも違います。
そのような発達段階と個人差の大きさを考えた際、多くの中学受験生が通う集団塾だけでやっていけるでしょうか?
小・中・高校生を同時に教えている立場からすれば、集団塾だけでは難しい子が想像以上に多いのではないかと考えられます。
精神的にも発達的にも未熟な時にこそ、本来は個別の支援が必要なはずです。
その意味で、メインの集団塾にプラスアルファで個別指導塾などを追加してフォローすることは自然なことだと思います。
3、大手中学受験集団塾は親の負担が大きい
中学受験と高校・大学受験の最も大きな違いは、親の関わり方です。
高校・大学受験では親の役割は専ら塾や受験の費用を捻出するところになり、子どもの勉強自体に深く関わることはほとんどないのが一般的です。
一方で、中学受験はお金の部分で親の負担が重たいのもありますが、それ以上に勉強にも親が関わるのが一般的です。丸つけや宿題や予習復習の管理まですることが多く、親の伴走が求められます。 中学受験は親の受験と言われるのは、こういった勉強面まで親が介入する必要性があると考えられていることが理由です。
このような親の負担の違いを考えた際、親の中学受験の伴走の一部を個別指導塾や家庭教師に外部委託する需要が当然生まれます。
また、親子で勉強をしているとケンカになる場合も多く、精神的な面でもアウトソーシングしたほうが家庭円満で、トータルでプラスになることも多いのが実態です。
4、当塾の中学受験対策について
ここまで、中学受験のダブルスクールについて意見を述べてきましたが、高校・大学受験と比較したとき、中学受験には学校の立ち位置や発達段階、親の関わり方の面で特殊性があり、塾のダブルスクール自体は自然と需要として出てくる現状を示しました。
当塾では、大手塾フルサポートコースを用意しており、大分の大手集団指導塾である英進館、能開センター、日能研、ライズ、東セミに通う中学受験生のサポートをしております。もちろん、当塾だけでの中学受験も可能です。
興味のある方は、ぜひ一度体験授業を受けに来てください。