中学受験を考える上で避けて通れないのが偏差値だと思います。
そればかりに固執してはいけないのは分かっていても、やはり一定の目安は必要ですよね。
この記事では大分県下の国立私立中学校の偏差値と難易度について書いています。
特に難易度をわかりやすくシンプルに知ることができます。さらに、国立私立中との難易度を比べにくい大分豊府中学の適性検査の難易度や合格可能性まで言及しています。
偏差値の捉え方
本題に入る前に、偏差値の捉え方について基礎的なことから確認しておきましょう。
世間では偏差値という言葉だけが一人歩きしていて、正しく偏差値を捉えていないことがよくあります。
特に大切なのが、偏差値は母集団ありきで汎用性はないことをしっかりと理解することです。
偏差値はある母集団における立ち位置を表したものであり、偏差値を正しく理解するためには母集団がどういう集団か考える必要性があります。
例えば偏差値30と聞くとレベルが低いように感じますが、全国模試の偏差値30と東大合格者の集団の偏差値30では意味が違います。
前者ではその時点での東大合格は無理でしょうが、後者であれば偏差値30でも東大合格者です。
母集団を無視して数字だけで判断することは絶対にしてはいけません。
また、これに関連して、ある偏差値を別の基準に照らし合わせて語ることも間違っています。
よくあるのが中学受験と高校受験の偏差値表の比較です。
中学受験では基本的に大手塾に通っている子達を母集団としていますが、高校受験ではもっとオープンに色々な子が入った母集団を形成しています。
大分の高校受験では県教委主催の学力診断テストがあり、県下の全中学生が受けます。
この学力診断テストと中学受験大手塾の偏差値を比べると、当然中学受験の方が低く偏差値が出ます。
このように、偏差値は母集団が大切であること、他の基準の試験との比較はできないことをまず押さえましょう。
大分県の国立私立中学の入試難易度の見立て
大分県の国立・私立中学には、大分大学附属中学校、向陽中学校、岩田中学校、大分中学校、明豊中学校があります。この5校の偏差値と難易度について説明したいと思います。
まず、これらの学校の偏差値は英進館、能開センター、日能研などの大手中学受験進学塾やシリスタなどの中学受験情報サイトなどで見ることができます。
ただ、これらの情報源での偏差値の数字自体はかなり幅があります。
中学受験に限らず高校受験や大学受験の偏差値を見る際に偏差値60のような数字自体には実はあまり意味がなく、大切なのはその順番です。
この観点から見たとき、大分県下の国立私立中学の偏差値順は、
明豊中<大分中=岩田中<向陽中=附属中
に、ほぼ収束します。
実際に中学受験の指導をしている感覚からしても、ほぼこの通りだと思います。
ただし、受験科目や日程、問題傾向などとの相性などがかなり左右するので、一概にこの通りに結果が出るわけではありませんが、あえて順番をつけるならこのような感じで異論は少ないと思います。
大分豊府中学の難易度の見立て
大分県には公立中高一貫校である大分豊府中学があります。
大分県の中学受験の偏差値や難易度の話になると悩みの種になるのが、豊府中をどの位置づけにするかという点だと思います。
そもそも、なぜ豊府中が国立私立中と同じ土俵で比べにくいかと言えば、入試でなくあくまで適性検査を行っているからだと考えられます。
問題を見たことがある方はわかりますが、問われている事の質が国立私立中(特に私立中)とは違いがあります。
それ故に豊府中のような公立中高一貫校は別の対策が必要だと考えられており、一般的な中学受験の偏差値では測れないと考えられています。
しかし一方で、私立型の模試の偏差値が高くても低くても関係ないかと言われれば、やはり相関はかなりあると思います。
実際に、久留米大附設中やラ・サール中に受かるくらいの学力層の子達であれば、豊府中もほぼ確実に受かると考えるのが自然だと思います。
問題はどのくらいだと確実に受かるのか、どのくらいからだと五分五分くらいなのか、という点です。
ところで豊府中の難易度を考える際にもう1つ大切なのが、受かるか落ちるかの幅が広いことだと思います。
特に私立中の場合はある程度は偏差値で合格が読める部分が大きいですが、豊府中のような公立中高一貫校の場合は問題の質や記述式が多いために採点仕方も幅があることに起因し、この合否の見立ての幅がかなり広いです。
そのため、はっきりとこの偏差値だと受かるか落ちるかが言及しにくいと考えます。
とはいえ、以上を踏まえた上である程度の基準を言うならば、
・向陽中に合格する子なら、豊府中はかなりの確率で受かる
というような感じになると思います。
もちろん、向陽中に受からなかった子でも豊府中に受かる子はたくさんいるでしょうし、そもそも私立型の偏差値で判断するのは本稿の趣旨から矛盾してしまいます。
しかし、ポテンシャル的にはこのくらいかなという基準としては向陽中くらいが高確率で合格できると言えるかなと個人的には思っています。
志望校合格のために偏差値より大切な要素
偏差値と難易度について説明してきましたが、実は偏差値よりも合否において大切な要素があります。
それは、入試問題との相性です。
どんな偏差値より、実際に過去問を解いて点数を出すことが一番合格可能性を測れます。
特に豊府中は問題との相性がとても大切です。
入試問題との相性、これが合格のためには最も大切です。