夏季講習に行かせるか悩まれている中学受験の親御さんに向けて
中学受験を控える小6なのに集団塾ではなく1対1個別指導を選んだ話
夏の暑さが本格化し、もうすぐ7月。いよいよ受験の天王山である夏休みが到来します。どの塾も夏季講習のいろいろなプランを作って案内を出しています。
中学受験生においては、多くが大手集団指導塾に通って中学受験の学習を進めていると思います。当塾にも大手集団指導塾とダブルスクールの生徒さんが多く在籍しています。その中で親御さんから相談されるのが、大手集団指導塾の夏季講習に申し込んだ方がいいのか、という話題です。
実際のところ、大手集団塾の夏季講習に行った方がいい人もいれば、違う方法の方がいいと思う子もいて、毎回その子とご家庭にとってのベストが何かを一緒に考えています。
この記事では、あえて集団塾の夏季講習を回避した子の具体例を紹介します。その例を通して、中学受験生の夏休みの過ごし方の選択肢が増えればと思います。
特に、夏期講習に行かせるか悩んでいる親御さんに読んで欲しい内容です。
1、中学受験の集団塾の夏季講習に行かなかった理由
Aくんは、大分市にある大手集団指導塾のB塾に通っていました。当時、家庭教師をしていた私(塾長)が依頼されたのは5年生の夏休みで、塾に通っていなかった小4の内容を教えて欲しいという依頼でした。
もともとの素質はかなりあったAくんは、メキメキと力をつけていき、偏差値も5~10くらいUPして、本人もご家庭もとても喜んでいました。
しかし、私から見てもAくんは少し幼い部分があり、タイプ的にも文系な感じがしていました。それゆえに、中学以降にもう少し精神的に大人になって、英語を軸にやっていけば、もっと伸びるだろうなと感じていました。また、Aくんの志望校は近所のC中学で、成績的には志望校だけなら余裕を持って合格できるゾーンにいました。
そういった状況の中でAくんのお母様から深刻な顔で相談を受けたのは小6の6月終わり、ちょうど今くらいの頃でした。夏季講習に行きたくないと子どもがゴネている、というご相談でした。
Aくんの通うB塾の夏季講習は1日約10時間あり、とても力がつく内容なのですが、Aくんはその予定表を見て「絶対に行きたくない」と主張し、親子ゲンカになったようでした。終いには「そんなに塾に拘束されて勉強するんだったら中学受験をやめる」とまで言って、かなりこじれていました。
2、中学受験の大手集団塾の夏季講習に行かずに、個別指導で勉強したこと
そのような状況の時に私がご提案したのが、1対1の個別指導と自習を組み合わせた形の夏季講習でした。週3~4回、私の監視下で自習をして問題集を解き進め、マンツーマン指導でそれらのやり直しをするというスタイルでした。毎日10時間塾で勉強しないといけないと思っていたAくんは、半分以下の時間ならと承諾してくれました。
使ったテキストは「基礎300」「超基礎500(文章問題)」「超基礎380(図形)」の3冊です。これらは算数のランダム系の問題集で、問題難易度が絶妙で、今でも愛用していますが、これらの問題集を同時並行で進めていきました。途中でつまずいているところは「原田式算数プリント」を使いながらより丁寧に算数の基礎的な内容固めていきました。
こうして、やりすぎず、やらなさすぎずの1対1個別指導の夏季講習を経て、Aくんは志望校だけでなく、もうワンランク上の中学まで合格を勝ち取り、中学受験を終えました。今は高校生のAくんが当時を振り返って、夏休みの勉強で無理をしなかったのがよかった、と言っていました。たぶん、あそこで無理に大手集団塾の夏季講習に行っていたら、きっと勉強が嫌になっていたと思うから正解だった、と。また、たぶん集団塾より夏休みに関しては個別指導でみっちり自分の弱点に向き合えたのが良かったとも言ってくれました。
別の記事でも書いていますが、集団塾は中学受験においては学校の勉強に等しいもので、ペースメーカーとして必要性の高いものです。しかし、習った内容を復習して基礎固めを行うことを夏休みにするなら、個別指導の利点が生きるようにも思えます。
3、夏季講習に行かせるか悩まれている保護者さんに知ってほしいこと
以上が、夏休みにあえて大手の集団指導塾に行かずに勉強をした中学受験生の話です。Aくんに関して私が一番気にしたのは、無理せず中学受験を乗り越えて、次に繋がる勉強をさせたい、という点です。中学受験がゴールだったら、無理してでも夏季講習に行くのが正解だったかもしれません。
しかし、中学受験後まで見据えたとき、発達段階や精神的な幼さを勘案すると、個別指導で時間を短くしたのは正解だったのではないかと思います。
親御さんにとって長時間の勉強をさせてくれる塾が魅力的なのはよくわかります。端的にコスパがいいので。ただ、子どもの将来性を考えて長期的に捉えた時にどうなのかを考える方が、私は大切だと思います。
もちろん、大手の集団指導塾の夏季講習に行った方がいい子はたくさんいます。特に、難関と言われる中学を志望する子には必須だと思います。そういう子は当塾の大手塾サポートコースをサブに使って、大手塾をメインに受験するのが良い場合もとても多いです。
一方で、必ずしも猛烈に勉強する夏季講習だけが正解でない場合もあります。あえて時間は短めでも、内容や指導が適切であれば成績は伸びます。正解は子どもによって十人十色です。1人ひとりに最適な学びを提供するのが、当塾の使命です。
当塾は、7月7日から夏季講習を開始します。当塾のこだわりである完全1対1授業と義務自習がセットになっています。授業回数や義務自習時間などはカスタマイズできますので、1日10時間勉強したい子も、少し短めでもいい子も、どちらにも対応可能です。無料相談もしておりますので、お申し込みフォームからお気軽にお声がけ下さい。